「千葉で3チーム目ですけど…」
今季の初めにJ1・FC東京から期限付き移籍で千葉へ加入した品田。ここまで、持ち前のサッカーセンスと長短を交えたパスで攻守をけん引してきたが、この試合では本来のパフォーマンスを発揮できなかった。
「残り10試合くらいは、自分が勝点を取るのに貢献している手応えがありましたが、それを最後の最後で出せなかった。勝負強さがなかったことは悔しいですし、何よりもみんなの想いをつなげられなかった」
3月26日の千葉加入発表時、品田はFC東京のクラブ公式サイトで「もう一度厳しい環境で自分の価値を示せるよう頑張ってきます」と意気込みを語った。育成年代を過ごしたクラブから離れ、武者修行の地として選んだチームは25歳にとって特別な場所になった。
「千葉で3チーム目(昨季はJ2ヴァンフォーレ甲府に在籍)ですけど、みんながちゃんとやるチームでした。特に慶行(よしゆき)さん(小林慶行監督)のチーム作りは尊敬しています」
今季の千葉はシーズン開幕からハードワークを貫き、選手全員が気持ちを一つにして戦っていると伝わってくるチームだった。
けが人が続出する中、品田をはじめとする出番の限られていた選手たちが少ないチャンスで結果を残し、勝ち星を積み上げていく様は、まさに総力戦だった。
指揮官は「誰一人としてチームに対して抗うような言動がなかったというか…。みんなが矢印を自分に向けて、自分とチームの成長を促す言動を繰り返してくれました」とイレブンへの感謝を口にした。
クラブ15年目のJ2を戦い抜いた選手とスタッフが見せた姿勢と想いは、サポーターに伝播している。試合終了後、遠い山形の地まで駆けつけたファンは激励と感謝を大声援で伝えた。
小林監督は、サポーターとの関係について「あのような(サポーターからの)反応を選手たちが引き出したのかと思うと、本当に彼らはすごいなと…」と誇りを抱いている。
千葉にとって、リーグ戦復調のきっかけになった天皇杯ラウンド16のJ1北海道コンサドーレ札幌戦後。品田は「どこのチームにも勝てる。もっと成長できる」とイレブンが持つ可能性を振り返った。
その想いは、J1復帰を逃したいまも変わっていない。千葉の司令塔が信じたチームのレガシーを来季も継承したい。
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そして今度こそ、ジェフユナイテッド千葉はJ1の舞台に戻る。品田は「チームを勝たせる選手になる」と決意し、スタジアムを後にした。
(取材・文 浅野凜太郎)