日本代表のキャプテンである遠藤航が所属するリヴァプールは世界的人気を誇る強豪クラブだ。
オランダ人のアルネ・スロット監督が就任した昨シーズンは、プレミアリーグで優勝を飾った。
そのなかで、控えに固定された遠藤は、出場機会が大幅に減少したものの、”クローザー”としての役割を全うした。
今シーズンのリヴァプールは開幕7連勝を飾ったが、そこから調子が急降下。2014年以来となる公式戦4連敗を含めて、最近6試合は1勝5敗と絶不調にある。
『Sky Sports』によれば、リヴァプールOBである元イングランド代表DFジェイミー・キャラガーは、スロット監督のチームは危機にあり、フィジカル面の改善が必要と説いたという。
また、同じく元イングランド代表DFギャリー・ネヴィルはこんな持論を述べていた。
「スロット率いるリヴァプールは、私の古巣であるマンチェスター・ユナイテッドを少し思い出させる。
常に得点力があるように見えた狂った時代もあったが、結局はバラバラだった。
(リヴァプールの攻撃陣)サラー、エキティケ、ヴィルツ、イサク、ガクポらは間違いなくゴールを決める。しかし、他の選手たちは常に守備を固め、守備を崩さず、隙を見せないようにするのが役割だ。
ゼロからスタートするしかないように聞こえるかもしれないが、時にはそうしなければならないこともある。
全てがカオス化している時、つまり今のリヴァプールがまさにそうである時、強固な基盤を見つける必要がある。
つまり、タイトな4バックで、スペースを消し、デュエルとセットプレーを制し、簡単に失点を許さない選手を配置することだ」
守備を重視すべきという提言だろうか。
同紙は「リヴァプールは何よりもソリッドさに集中するべき。攻撃的MFを下げて、遠藤をディフェンスの前に置き、ライアン・フラーフェンベルフと並んで配置しよう。ゴールは必ず生まれる。才能に溢れる選手たちは、チャンスを作り出せる。リヴァプールは守備を固めなければいけない」というファンの声も伝えている。
守備力に優れた遠藤をスタメン起用するべきという見方もあるようだ。今シーズンの遠藤は、ここまで計6試合で145分ほどしか起用されていない。
一方、『Independent』は、こう指摘していた。
「今シーズンの遠藤はプレミアリーグでわずか39分、チャンピオンズリーグでは0分の出場にとどまっており、スロット監督がこの日本人MFをほとんどオプションとしても考えていないことは明らかだ。
このオランダ人監督はフェイエノールト時代や、昨シーズンのリヴァプールでも14人程度の主力選手を中心にチームを運営していた。
しかし、ハーヴィー・エリオット(現アストン・ヴィラ)やジャレル・クアンサー(現レヴァークーゼン)といったスロット監督がしばしば見過ごしてきた選手を除外したとしても、より大きなスカッドから組み合わせる余地はあったはずだ。
スロット監督はいまだにユルゲン・クロップ前監督がラストシーズンで見せた達人的なローテーションを再現できていない。クロップ監督が控え選手たちを称賛する能力によって、シーズンは支えられていた」
2023-24シーズンまでリヴァプールを率いたクロップ前監督は、モチベーターとして優れた人物だった。
スロット監督は、主力と控えの扱いを明確にするタイプで、現状はそれが裏目に出ているということのようだ。
ともに22歳のエリオットとクアンサーも遠藤同様にスロット監督のもとで出場機会が減少し、この夏にチームを離れた(エリオットはレンタル移籍、クアンサーは完全移籍)。