タイサッカー協会は22日に、同国代表監督を務めていた石井正忠氏の解任を発表した。
協会は、「成績(勝率)および技術委員会の評価基準との不一致」を理由に解任を決定したと説明した。
しかし、この判断は多くのタイ代表サポーターの反感を招いている。同日、タイメディア『THAIRATH SPORT』が報じた。
同メディアによると、タイサッカー協会が石井監督の解任を発表した後、熱心なサポーターとして知られるチャイラット・クルムカイ氏が同国サッカー協会本部の前で「なぜ石井監督を解任したのか?」と書かれたプラカードを掲げて抗議したという。
さらにチャイラットさんは、自身のSNSで「誰もが混乱しています。なぜ今、石井監督を解任するのか。アジアカップ予選はまだ終わっていません。台湾にはホーム&アウェイで勝利し、最終ラウンド進出の可能性もある。しかも、彼は(タイを)世界ランキング96位に上げ、契約もまだ残っている。解任すれば違約金も発生します」と投稿した。
J1の鹿島アントラーズをルヴァンカップ優勝に導いた経験もある石井氏は、2023年12月にタイの監督に就任して以降、53パーセントの勝率をたたき出し、FIFAランキングを113位から96位まで上げた。
これは過去17年間で最高の順位だという。
『THAIRATH SPORT』によると、突然の解任劇に激怒したファンが抗議運動を起こし、一部では「次のシンガポール戦の応援をボイコットする」といった動きにまで発展しているそうだ。
石井氏も「何て不誠実な人達なんだろう」と不満をこぼしていたが、これに対してタイサッカー協会会長のヌアンパン・ラムサム氏は「雇用主の権利に基づき、法律に準拠して契約を解除しました」とSNSで説明した。
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チャイラットさんは、サポーターの声を代表して「(タイ)サッカー協会の幹部が、ファンに対して真の理由を説明し、納得できる説明責任を果たすべきだ」と強く求めている。